読書雑談 マイケル・サンデル トマ・ピケティ サミュエル・ハンチントン

これからの「正義」の話をしよう
人は社会の「シガラミ」と共に在るので、純粋な善のみを追い求め考察するだけでは不足である。と言う位の理解でよろしいか? そもそも、先行者はその「シガラミ」を解きほぐす為に、そしてより良く理解する為に考察して来たので、「シガラミ」から離れた考察はダメと言われても困るだろう。矛盾してないか? 哲学が社会の「シガラミ」をテーマに実践的にアプローチする中で生み出された事が良く理解出来た。あと、カントってそう言う事を主張してたのね、となんとなく判った気になったのも良かった。
新・資本論
タイトルは大仰だが連載コラムを集めた一冊。ブームに乗ったのかな? コラム集なのに通して読むとあのベストセラーで著者が何を分析、論証しているのかがおぼろげに判る。イヤはっきりと判る。金持が更に金持になる雪だるま効果が加速する中で、社会を安定させる分配機能が弱体化している。グローバル化により資本の移動が進むと、税制の国際協調が無い、税制優遇の競争が国家間で進む現状では適切に民から公へ富を移す方策が無い。一つの解決策として総資産ベースの資産課税も視野に入れるべきだろう。という感じかな? それを実行出来る政治が遠い。
分断されるアメリカ
アメリカのナショナルアイデンティティへの収束作用を徹底的に弱体化する道を選んでしまったリベラルが今回の大統領選で復讐された、その次第を浮き彫りにする。